連日、暑く熱い日が続いておりますが、本州の皆さん大丈夫でしょうか…体温を超える気温ってどんな世界なのか、想像できない道民の一人です……。(皆様、水分塩分の補給を十分に!)
さて、そんな暑い日続きの今、ぜひオススメしたい北海道のちょっと意外な(!?)バリアフリースポットをご紹介します。
島へ来たらなんとかする
奥尻島は、北海道の南、日本海に浮かぶ人口2,536人(2020年7月現在)の小さな島。
小さいだけに、島中の人がた(北海道弁で「人々」のこと)みんなが顔見知りといっても過言ではなく、島外から訪れた人を自然体で歓迎してくれる心通う島です。
観光が主な産業で、島へ渡る足は江差港からのフェリーまたは函館空港からの航空便のみ。
私も、番組リポーターで“石井ちゃん”こと、石井雅子さんが奥尻島の観光大使(現役!)ということもあり、uhb北海道文化放送「石井ちゃんとゆく!」の取材やバリアフリー講演などで4〜5回伺いました。
そして、建物的な外側から発見するバリアフリーだけではなく、心に垣根の無い…“人によって創られるバリアフリー”に触れることが出来たのです。
正直、建物的にはバリアフルな施設、宿泊施設も多いのですが………そこは、島んちゅ。
「島に来たらなんとかする」という気概が、もう、何とも頼もしいバリアフリーなんです(笑)。
今でこそ、島を行き来するハートランドフェリーにはエレベーターがありますが、かつて取材に伺った2010年にはまだありませんでした。
車いすの人がフェリーに乗船すると、おんぶして船内の上下の移動を軽々とサポートしていました。
島での滞在の醍醐味はやはり民宿に泊まることで、フェリーが港につくと民宿の方が迎えに来てくれます。
車いすであっても、高齢の家族や幼い子供が一緒でも、
特に構えることなく
「私ら、どーしてやったら良いんかい?」と、気負わず聞いてくれるので、どうして頂いたら助かるかを伝えれば、「そっかい(そうかい)、分かった」と、気持ちよくしてくださいます。
一度、トライクという3輪バイクであちこち旅する車いすユーザー佐藤友治(さとう ゆうじ)君と一緒に行ったことがありましたが、
泊まった「御宿(おんじゅく)きくち」さんでは、その泊まる部屋に絨毯を用意して下さってました。
民宿のほとんどは、昔ながらの畳敷きで、以前宿泊された車いすの方が、タイヤで畳を傷つけるのをひどく気にされた…ということがあったらしく、
その時、女将さんが機転をきかせ、ホームセンターでミニ絨毯を買ってきて敷いて差し上げたところ、とても喜ばれたということで、以来、車いすの方がいらっしゃる時は用意するとのこと、この配慮には、佐藤君も私達も大感激!
そして、その民宿は入り口にも玄関にも大きな段差があるのですが、その度に
「どうしたら良いですか?」
「どうお手伝いしたら良い?」
「何を用意したら良い?」と、
とにかく気負わずばんばん尋ね、そして「なんとか」する。
お風呂の入り口も車イスごと入れる幅がなくても、どうしたら良いですか?
車いすを降りて手で這う形で浴室に入る…といえば、車いすのところから浴室へマットを用意してくださったり
とにかく「島へ来たからにはなんとかする」という気持ちに溢れているのです。
充実!奥尻バリアフリー観光マップ
番組の取材とは別に、どのようにすると、バリアだらけの施設が多い中で、最善のバリアフリー的おもてなしができるか?について、アドバイスさせて頂いたことがありました。
そうして作られたのがこちらのページ。
それは、事前にバリアのある状況を写真入りでお知らせし、訪れる人自身が対処できるよう情報公開すること。
実際、こちらの「奥尻バリアフリー観光マップ」のサイトでは、民宿各所が写真入りで紹介されています。
ぜひ、覗いてみて下さいね!(写真をクリックするとサイトにジャンプします!)
そして、今、奥尻では、「帰りのフェリー無料キャンペーン」や「宿泊費割引きプラン」なども実施中!
(だいたい毎年夏にこうしたフェリー代金割引きキャンペーンをしています)
もちろん、新型コロナ対策として、厚労省発表の「新しい生活様式」を遵守し、また島を訪れる人もそれらを厳守することが条件となります。
今…というより、奥尻という島が、「島へ来たらなんとかする」というバリアフリースピリットに満ちた島であることを知って頂ければ嬉しいなと思い、紹介させて頂きます。
ちょっと…
☆うまい海産物が食べたい!
☆青い海が見たい!
☆自然の中でのんびりしたい!
☆気負わず土地の人と交わりたい
そう思ったら、ぜひ、旅先の一つの候補として奥尻島を思い浮かべてみて下さい。
心がフラットな島の魅力を満喫できますよ!
2020.8.18 Barrierfree-frontのページより転載